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2006年12月05日

●人力車よさらば

インドのコルカタに行くと目にするのが人力車。リクシャやリキシャと呼ばれ、小説や映画でも取りあげられたこの人力車は街の名物ともなっています。
ところが、西ベンガル州議会は、この人力車を廃止する法案を可決したようです。

BBC NEWS | World | South Asia | Farewell to hand-pulled rickshaws
ドミニク・ラピエールの有名な小説「歓喜の街カルカッタ」で不朽の地位を得たコルカタの人力車は、まもなく歴史書の中にうずもれてしまう事になりそうです。

西ベンガル州議会によって可決された法案には、100年以上にわたって輸送の主力となった人力車について「非人道的だ」と書かれてありました。

州議会は月曜日、コルカタの賃貸車両に関する修正法案を多数決で可決させました。

議会を支配している左派議員は賛成票を投じましたが、コングレス党とトリナムル党は反対しました。

~裸足の男性~

「西洋人は貧しき人々と人力車でコルカタの風景を連想しようとしますが、これらは現在のコルカタを表すものではありません。現在のコルカタは繁栄と発展を表しています」と、西ベンガル州のブッダーデフ・バッタチャリア主任次官が最近ジャーナリストに話していました。

「この非人道的な交通手段は、何年も前に廃止されねばならなかったのです」と、共産主義者のビカシュ・バッタチャリア・コルカタ市長は言いました。

「我々は、汗をかきながら人間を引っ張ろうと努力している人を想像することが出来ないのです。」

20世紀初頭に、中国人の商人が人力車をコルカタに伝えました。それ以来、人力車は筋肉質だがやつれた男たちによって動かされています。

人力車はコルカタの一般的な風景の一部になっています。モンスーンの間、道路が水浸しになり、自家用車やタクシーが走れなくなると、人力車の需要は高まります。

裸足で汗を光らせながら人力車を引っ張るリクシャプーラー(車夫)たちは、時々「ヒューマン・ホース(人間の馬)」と呼ばれ、人々に知られています。

~リハビリ法案~

彼らは1日当たりおよそ100ルピー(およそ250円)を稼ぎます。彼らの大半は街のごった返した道路の上で食事をしたり睡眠したりします。彼らは道路の上で暮らしているのです。

彼らの多くは西ベンガル州の近くの州からやって来た低所得者です。大半は人力車を自己所有しておらず、稼ぎの中から少なからぬ額を支払って人力車をレンタルしています。

1949年に共産党が政権を握った後、中国は人力車を禁止しました。コルカタは日常的な輸送手段として人力車を用いている、世界でも数少ない街のひとつです。

当局は、リクシャプーラーは人力車を自転車タクシーやオートリキシャに取り替える事になると言いましたが、それらを入手するための資金が融資されるかどうかについては詳しく述べませんでした。

人力車を禁止する法案は、7月より州議会の特別委員会によって審議されていました。

バッタチャリア主任次官は、この特別委員会の委員長を務めました。

コングレス党のソメン・ミトラ議員は、リクシャプーラーのためのリハビリテーション法案を提出するため、つい先頃主任次官と会合を持ちました。ミトラ議員はコルカタ・リクシャプーラー連盟の理事長を務めています。

主任次官は、州政府が公認したリクシャプーラーについては考慮する事をミトラ議員に保証しました。

コルカタの主要なリクシャプーラーの組合である、全ベンガルリクシャプーラー組合のモハマッド・アスラム氏は、仕事が失われないのであれば、人力車を禁止するのには反対しないと言いました。

「我々は、州政府が適切に手配してくれることと、人力車に携わる数千もの人々が見殺しにされないことを願っています」と、彼は言いました。

1985年に出版されたドキュメンタリー小説「歓喜の街カルカッタ」は、西ベンガルで貧しい人たちを救おうとしたフランス人神父の物語です。この小説は、後にハリウッド映画「シティ・オブ・ジョイ」の原作になりました。

主要な登場人物の一人は、強制的にに仕事をさせられて病気になってしまうリクシャプーラーです。

わたしら日本にいる人間が目にする人力車と言えばほとんどが観光用なのですが、コルカタでは今もなお現役の輸送手段なのですね。Wikipediaの項目を読んでみると、コルカタでもいくつかの通りでは人力車の乗り入れは禁止されているのだそうですが、これを全面禁止にしてしまおうと言う事らしいです。
確かに、人間が人間の乗った車を引っ張る姿と言うのは、共産主義者から見れば好ましいものではないのでしょう。ですが、人力車を引っ張る事でしか収入を得られない人たちにしてみれば死活問題です。リクシャプーラー組合は廃止に強硬に反対していたそうですが、もっともな話です。
しかし、代わりになる仕事が得られるのであれば廃止しても良いという方向に変化して来ているようですし、州政府がしくじらなければこのまま廃止されてしまうのでしょう。ただ、政府の認可を得ていないリクシャプーラーがかなりいるようですので、こちらの対策をきちんとしなければ、失業率の増加や治安の悪化にもつながっていくのかも知れません。
ですが……、観光用や、昔を偲ぶよすがとして、いくつかは残しておいてほしい気がします。なくなってしまってから懐かしんでも、もうどうしようもないのですから……。
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